4つの虚偽
南無一


おんなたちは 4つの虚偽をつくるのが 得意だ。

ひとつは、顔。
毎朝、 鏡の前で 自分の顔を無くしてしまう。

ひとつは、胸。
鋼入りのブラジャー、あるいはパットやらで、
時には、シリコンまで注入して。

ひとつは、齢。
あいまいな作り笑いで。

そして
ひとつは、愛。
いつも言葉を要求して。

この4つの虚偽を
まるで世界の真理であるかのように振る舞える
あなたがたが、羨ましい。

そして、おとこたちは、
この4つの虚偽に 生涯、翻弄されつづけ
やがて人生を 終えるのだ。

その虚偽の胸の中で、
安らかに眠りつくようにして・・・。




自由詩 4つの虚偽 Copyright 南無一 2015-08-17 22:06:05
notebook Home 戻る