パンの耳
灰泥軽茶

パン屋の軒先に
フリーペーパーと一緒に
ご自由にお取り下さいと
置かれているパンの耳
ビニール袋にどっさりと
持ち上げ少し多いなと思いつつ
買った惣菜パンより重たいなと思いつつ

そのままかじり美味しく
かりかりにしても美味しく
からめてしとしとでも美味しく
また次の日そのままを
スルメのようにかみしめながら
昔は嫌いで
なんでパンだけ耳があるんだよと
子供心憤っていたなぁと
いい加減飽きてきて
昨日から続いて四食食べても
全然減らないパンの耳を少し憎み
頭の中はパンの耳だらけ

夕方これならと
シチューに全部入れたら
すごく美味しくなりちょっと反省し
ビニール袋をぎゅと締めて
明日の朝もかとポイと捨てた


自由詩 パンの耳 Copyright 灰泥軽茶 2015-08-16 23:57:55
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