お見舞いに行った
愛心

風邪をひきましたの。

大したことありませんのよ、
咳が出て、頭痛がして、気持ち悪くて、吐き気がして、体が重くて、全身が熱いだけですの。

お食事ですか?
摂りましたわ、プリンを一個。

ええ、起きてから今までのお食事でしょう?
食べましたわ、プリン。
大丈夫ですのよ。ポカリスエットを飲んでいますので、お腹は空きませんの。

それより、あまり此方に来られない方が宜しいかと思いますわ。
あなた、マスクもしてませんし、うつっても知りませんわよ?

なにがって…、風邪ですわ。
うつっても知りませんわよ。

ちょっと

どうして…

何故、先程よりも私に近いところにいらっしゃるのかしら?
待って…、やめて。

これ以上近づいたら大声出しますわよ。

喉が乾いた?

知りませんわ、今日はお茶の準備も辛いんです。
申し訳ありませんけど、お帰りになってください。
あ! いけません!

それに口を付けない方が宜しいかと思いますわよ。
菌まみれでしょうから。そのポカリスエット。
私が飲んでるんですもの。




あ! だめ!




もう、そんなに乾いていたのなら何か買って来られれば宜しかったのに。
飲んでしまったものは仕方ありませんわ。
お帰りになられたら手洗いうがいをなさってくだ



















な、あ…、何してくれやがるのかしら!
さよならも言わず、く、く、くちうつしだけして帰るなんて!

ばか! ばか!

うつってしまえばいいわ! ばか!







「って、ドアの外にまで怒ってる声が聞こえててめっちゃ可愛かった!」
「この変態、風邪引け爆発しろ」




自由詩 お見舞いに行った Copyright 愛心 2015-08-16 01:02:18
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