八月のゴルフ
吉岡ペペロ
熱中症の危険があるから八月のゴルフは避けられている
だから八月のゴルフは安い
よって会社の金でできない理由があるようなゴルフコンペは八月に集中する
会社の金でできないゴルフコンペにはビジネス以外の、主催者の人間関係の輩がくる
半分は会社関係者、あとの半分は主催者の人間関係の輩
そんなゴルフコンペでは主催者が決まって言うセリフがある
「きょうはお互い役職とかでは呼びあわないでやりましょう」
会社関係者として参加している人間にとってこれほどめんどくさいルールはない
お笑いタレントが正月、「このホールは、カタカナことばを使ったらペナルティです。あ、いま言っちゃった」とか言ってするゴルフ番組みたいな陳腐なルールだ
ほんとうにめんどくさい
だいたい夏にゴルフをするとは
しかもコンペをするためにひとを集めてゴルフをするとは
異常きわまりない話だ
俺ももう歳だから熱中症にはならないまでも
普段から調子の悪いところに異常がでる
たとえば腰が痛いとか膝が痛いとかそんな異常がでる
主催者はみんなゴルフコンペがしたいのだと思っている
夏にするゴルフはひとつの悲しみだ
理解しあえない悲しみだ
主催者はじぶんの人間関係の輩とゴルフをしたい
コンペをして順位を争うようなゲームをしたい
だから会社関係の人間も集めてコンペができる頭数をつくる
そうやって会社の金でする会社関係者と自腹でする輩を集めて八月のゴルフを計画する
そんなゴルフコンペに
八月のゴルフに会社関係者の人間として参加する俺は
もう間違いなくあきらかにひとつの悲しみだ
自由詩
八月のゴルフ
Copyright
吉岡ペペロ
2015-08-15 22:37:39