僕の前で君は
寺岡 広

僕の前で君は
1人の魅惑的な女性になる
普段の勤勉で立派な
母の殻を脱ぎ捨ててー

僕が知るどんな女性よりも
可愛らしい笑顔を見せ
恥ずかしくなる位じっと
僕を見詰め、その視線に
耐えられず、僕は君の顎を
小突いて視線をそらす

君は、涙をよく流す
映画やコンサートでー
僕はそれを垣間見
君の少女のような純粋で強い
感受性を知り、ますます
君に魅せられる

僕とのことでも
これまで幾度となく
涙を流してくれた
僕の幸せを願い、身を引こう
別れようとして

そのたびに僕は慌てて
君の決心を翻えそうとして
説得に努めてきた
今回、最大の危機が二人に
訪れたときには君を
諦めることを覚悟したほど

改めて思う
君は僕にとってただ一人
かけがえのない女性
どんな宝物よりも大切で
貴重な存在
君を失うことは僕の人生を
失うに等しい

僕の前で君は、世界中で一番
輝くことを知った
そんな君を手離すことなんて
絶対にできる筈がない!!!


自由詩 僕の前で君は Copyright 寺岡 広 2015-08-10 13:37:33
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