World Wide Ending
坂之上放肆

くたばれという言葉しか思いつかないくらい
ダメ人間の温床だねこの世の中は一体どんだけいるんだ
みんな死んでも誰も悲しまねぇよ
俺は死んだら世界中が世界葬をあげてくれるだろうよ
そんだけ俺は偉いのになんでそんだけ俺はつらいんだ
馬鹿じゃね馬鹿じゃね馬鹿じゃね
みんな結局世界の中心に自分を配置して
生き生き生きているだけの顔のないドロイド
死んでも同じ
生きていたら邪魔
お互いがお互いを邪魔者呼ばわりし
世界的弱者をカースト制のように底に配置し
なんの希望もなく
おれのような世界的弱者は
霧のように居場所もなく
涙となって流れてやがて消えていく
ふざけんなふざけんなふざけんな
お前らの方だろ世界的強者
または世界の覇者
お前らは人間の名を名乗ることを許されたんだろうけど
もうおれたちは人間なんてものは忘れた
俺だって人のために色々奔走して
涙し
汗かき
言われのない罵声を浴び
そんなんを無償でやってきたこともある
人間はそういう行為に給金が出るみたいだが
俺みたいなものは金もらえないとかよりも
人のために何かをやるってこと自体に
喜びを持たないとやってられない
苦しんでいる友人を
誰も助けてくれない友人を
助けさせてもらうのが
俺の喜びだなんて
思いたくもないが
でもそんなの自己満足でしかないことくらい
わかっている
そんな友人をこの前裏切ったが
死にそうって言っていた友人を俺の不信のために裏切ったが
果たして生きていた
やはり素敵な暴言を友人はボクのケータイに送ってきた
もういい
もうううういいい
俺はただ生きていて良かったと伝え
もう一つ不誠実なことをしてすみませんと伝え
もう心の中では縁を切ることにした
数少ない世界的弱者同士の友情は
こうしてお互いの不信のために断ち切られた
お互いの腐心はやがて俺をむしばみ
世界的強者の満足げなSNSのタイムラインを見いつつ
俺はこの詩を書いている
もうダメかもしれない
何が誰がどうダメなのか分からないが
しかしその生きていた友人だかなんだか分からない方から
メールが届き病名と退院日不明と三桁の数字だけ書かれていた
だけれども
その数字の意味する部屋には行かないつもりだ
俺だってしんどいのさ
ぬるま湯の中で生活している俺でも
苦しいことづくめで
もういやなんだ


自由詩 World Wide Ending Copyright 坂之上放肆 2015-08-05 15:20:12
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