きみのオナラ
末下りょう
つまらなくてもステキな映画みたいに
美味しくなくても食べるのが楽しい料理みたいに
きみのオナラが世界にきみを響かせた
長靴はいて、
弱く繋がる
目を合わさずに目にしみる虫除けスプレー 、
ふたりのうちの最高の愛はもー試みることも不可能とふたりが気づいた愛のことで
土砂降りのヘッドライナー、やけくそ気味な爆音で
跳ね回るレインコーターズ
(わたしなんて小さな奇跡にすぎないのー!) え?
なに? それ、自慢?苦しまぎれ?
髪ふりみだすきみのおでこに帯電する透明なサイダーの氷河期にギャハハって成長する
ピクルスとマスタードみたいな相性で
脳みその手術できるくらい清潔なシーツにくるまれて脳死した初セックス
来年あたりディルバートのドッグバートに逆に飼われたいねって
ダブルチョコレートクリスプかじってワンワン鳴きあった
もう飼われてるかもよって
空腹でセックスできないときもある
(人生なんて混乱の連続でしょ?だから美しいの!)リピート アフター ミー
リピート アフター ユー
きみとおなじ夜を生きるために
ぼくの鈍臭い混乱が (しょせん人間なんて)に集約されるまえに
きみのオナラをつかまえた
こんばんは!小さな奇跡
自由詩
きみのオナラ
Copyright
末下りょう
2015-08-02 19:12:13