古ぼけた道のり
藤鈴呼



ぺたり 貼り付いたのは
ぬらりひょんでも
ぬりかべでも
おばけやしきのこんにゃくでも
ありませんでした

ひやっ とするから
湿布を貼る瞬間のように
あなたは 叫んで
脅えることをも
忘れたかのように 思えた

キムチ むちむち
筋肉の上から
何処が 骨かも 分からないのに
鞭打ち症の首に 差し込んだ 絆

白い歯が 大切過ぎて
ちょっと 両手を上げると
楽になるでしょう?

笑顔の 先生に
否とは 言えまひ
癒えぬ問題 抱きしめて
首までも
真綿で 包まれたまま
苦し紛れに 呟いたのは

夏の 始まり
春の 終わり
秋を 見据えて
冬に 途切れる

ぺたありと 貼り付いた
気持ちの悪い汗は
悪寒よりも 性質が 悪い
オカンよりは 声質が 良い?

麗しい瞳を 
今日は 見据えられなくて
引っ張っても 引っ張っても
伸びぬ縄を
白い 饂飩と 勘違いしたまま
ゴールまで 駆け抜けたかったから

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自由詩 古ぼけた道のり Copyright 藤鈴呼 2015-07-31 01:01:09
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