サイレン
花形新次

アイツの頭に
火災報知器とサイレンを着けて
戦火の海に投げ入れてやれ
砲弾の雨のなか
ピーピーウォンウォン鳴らしながら
逃げ惑うアイツを
腹抱えて笑ってやらあ



Mが、優しかったMが
ある日、俺はもう駄目だと
言って来た時

ああ、そうですね(笑)

と答えてしまったことが気になって
Mの遺品を物色し、家族宛の手紙に
そのことが書かれていないか
確認しちゃいました

なかったのでホッとしたのを
覚えています

僕の魂は
その時点で死んでいたんですね

昭和天皇崩御の際に
殉死すればよかったと
後悔しています


自由詩 サイレン Copyright 花形新次 2015-07-23 22:57:48
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