風の樹陰(こかげ)
ハァモニィベル


  
白いシーツが晴々とはためく青い午後
大きな風にのって君の嬉しそうな声が疾走る
思い切り抱きしめればまるでお化けのようなカタチ
くすぐったいと笑う君をすっぽりくるんだその存在を
ぎゅっと力を込めて確かめた時、
洗いたての香りの中で感じた不安も、確かめていた







細い糸を繭のように紡ぐ毎日
速い川に落ちて繭は死んだように疾流る
気がつけばまるで振り乱した髪の毛のような足跡
すっぽりとくるまれた存在は一瞬の風に笑いたくて
ぎゅっと力を込めた拳を見つめながら、
洗いたての香りの中で感じる幸福を、確かめている




自由詩 風の樹陰(こかげ) Copyright ハァモニィベル 2015-07-21 15:00:18
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