行の白煙に打たれ
朝焼彩茜色

泥まみれの夕立一粒に願懸け命懸け
立ち上がろうと 己に跪き独眼に見渡す

屍の点描
永遠の夕立 その隙間で呼吸を呼吸を途絶えないように
大事に大事に膝に触れ 感触の泥まみれを皮肉にも このだだ雨が
屠る

誰かこの甲冑を外してくれないか
髪を結い直してくれないか

泥の足音の近づく気配は数時間で
白煙吐く雨の息荒く刹那すら見事に打ち砕く

朦朧のその隙間に蒼穹の愛慕戦ぐ風を思い出す
そっとそーっとしておいて歴史はそれでも
気安く軟弱に閉じることの出来ない幕が表裏一体に靡く

幟が風伯の壁となる時 
士気が天描く


 黄泉の温度と肌触りを覚え 咲き乱れた首を曲げた鬱金色
 この一筋の永遠は魂の終焉があるのかもしれない
 張り巡らす仕掛けの外れた金縛り

 生まれ変わるころ 甲冑だけが空蝉のように
 その者の温もりと余韻を銀漢全てで見守っている
 弔う秒針 永遠に打たれて


自由詩 行の白煙に打たれ Copyright 朝焼彩茜色 2015-07-21 14:45:46
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