やはり、深い、苦しみは、救われず、気付かれず。
陽向∮

やはり、深い、苦しみは、救われず、気付かれず。

涼しいうちだけの華、肌が感じているその一時。後片付け、そこには誰もいないのさ。

いっそ簡単に、あなたの心を奪えてしまえれば、それとなく呟いたことで、夢中にさせることができるのなら、その後は安堵と共に何にも悩まなくて済む。
誰もいないところとの暮らしをわたしは続けていくのか。遮られた、このお先の見えない場所で。

わたしは拝んだ。すると、黒雲がわたしを包む。救いを求めれば求めるほど、深い苦しみに陥るのだ、足元をすくわれた気がした、誰も気づいてはくれない。

そうして、何の為に生きているのだと考えた。前提に生きているとしっかり再確認していた。死んだらきっと無だ。そうであろうと、なかろうと、そうであろうことを恐れたら、今生きていることそのものが生きている意味になるのだ。

後片付けをした者だけに、誰よりも涼しい風がスーッと吹いてくる。泥だらけの手足がなんとも愛おしく思えた。


自由詩 やはり、深い、苦しみは、救われず、気付かれず。 Copyright 陽向∮ 2015-07-20 13:37:48
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