サウザン
あおば

             150713


リサイクルゴミを夜のうちに整理する
朝、早く、食事前の忙しい時間帯に
お父さんに出してもらう
お父さんの仕事はもうそれだけの気がしたが
お父さんは、草むしりや家の周りの掃除、
家の前の道路の掃除
居間の掃除などを、誰に言われることなくやっていてくれます
そんなお父さんの仕事が、リサイクルゴミを出すだけなんて
言うのは訳があるのです
リサイクルゴミは早く出すと、盗んでいく人たちがいるから
朝7時から回収車がやってくるまでの30分程度の
短い時間帯に出す決まりが有るのです
そんなことを私が出来るわけがありません
息子たちはギリギリまで寝ていて回収車のこと構っている時間が有りません
娘たちは、ゴミ出しを恥ずかしがって絶対にやってくれません
私だって本音はいやです
近所の奥さん連中も化粧していない素顔を曝すのを嫌がって
挨拶しても会話につながることは決して有りません
挨拶したら、ちょっと会釈して顔を見られないようにします
着ている服だって普段着のいい加減なものを着ていますから
本音は外に出たくないのです
そこへ行くと、お父さんは素顔に慣れてますし
野暮ったい格好でも恥ずかしがったりしません
今まで、近所づきあいを私に任せてきりでいたのを
償う気なのかやけに愛想よくしていますが
それはだいたい徒労に終わります
あまり親密になりたくない方々が多いこの地区では
素っ気無い挨拶程度が丁度いいのかもしれません
昔気質のお父さんはそれが少し不満のようですが
現状ではある程度仕方ないかもしれません
偉そうに言いながら、ゴミ出しを嫌がる他所のお父さんは
何の仕事もしていないのと同義だと思っている私は
うちのお父さんを少しだけ尊敬していますが
毎日顔を合わしているので、有り難味が薄く
言葉でありがとうと言ったことが有りませんが
時給千円程度の価値が有るのではと思っております
仮想音楽家のダダマさんの弾き語りをラジオで聞きながら書くと
私の文は少し恥ずかしい言葉遣いが多すぎると感じます
イメージを刺激すること、それが私の本職のはずなのに
肉まんは僕の友達と刺激的な言葉が天井から降るように
スピーカーから響いている。



初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、さわ田マヨネさん。







自由詩 サウザン Copyright あおば 2015-07-13 22:43:42
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