あおい満月


私は誰もが知っていることを知らない。
私は誰もが知らないことを知っている。
誰にもみえるものが
私には見えない。
誰にもみえないものが
私には見える。
あなたは今、
笑いながら泣いている。
その涙が、
つめたくあたたかい。



背中には、
いつも何かが書いてある。
それは決意と哀しみ。
決意の人は太陽に向かい
哀しみの人は星を見上げる。
私には、
決意という哀しみがある。
だから月を見上げる。
決意に照らされた哀しみを。
結ばれたもの
すべてを断ち切って
ひとりで生きる足音を響かせて。

**

紙を折る。
紙を折る人は強い。
すべてを平らにして
いらない思想を切り離して。
紙を折る人に
力のない愛などいらない。
紙を折る人に
嘘やいいわけはいらない。
ただ、
紙を折る人は、
本当に必要な何かを
胸に秘めている。
紙を折る私にも
ふくらみはじめた
蕾がある。



自由詩Copyright あおい満月 2015-07-12 04:38:04
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