さあ、わたしはわたしと、向き合うために、あらゆることをしました。
陽向∮

わたしは今朝目が覚めた、それとあなたが仰るような「時間」まで記憶していられるほど能力は高くない、勘弁してくれ。
いいんです、わたしはあなたに言いましたよね? 「わたしはわたしと向き合うためにあらゆることをしました」と。
まだ何にもしていないじゃないか、とあなたはふてくされた調子でいいますが、わたしは現在形があまり好きではないのです。
現在なんて、あなた、過去と隣合わせではありませんか、そんなところにわたし達を置いた神に怒鳴りつけたい勢いですよ。
まあいいでしょう、あなたの調子をこれから取り返してやりますから、そこで少し休憩がてら見ていてください。

わたしはね、もうあなたと3時間もいるわけですよ。なのにですね、あなた、わたしが話さないとずーっと黙ってるじゃないですか。
わたしだってねいい加減あなたに話掛けるのに疲れたわけですよ、ほらそこにライターあるから火を付けてくれたまえ。
いいんだよ、わたしの身体なんだから、何本吸おうが大したことなんてないんだ、わたしだってね、色々抱え込んでるわけなの。

でね、あなた、もう夜になってしまったわけ、外見れば分かるでしょう、わたしはね、あなたとこうして二人っきりになって
へとへとに疲れましたよ、ここまでわたしばかりに喋らせておいてね、あなたは、はいとか、そうですかとかしか言わない。
まあいいですよ、あなたにも食べさせたいところだけど、わたしは料理が好きでね、朝昼晩、毎日美味しいものを食べて生きてたいわけです。
それに煙草も酒も大好きですよ、心が休まるじゃないですか、それに自分への投資として本とかも読んだりしていますしね。

「では、あなたは、あなた自身と他に何を向き合う必要があるのですか?」
というわけ。夜外を歩くと、おばけが出そうで怖い時ありますよね、わたしあれが嫌いでね、夜外歩く時は毎日警戒しながら歩きますよ。
帰りはコンビニで弁当か何か買うのかい?


自由詩 さあ、わたしはわたしと、向き合うために、あらゆることをしました。 Copyright 陽向∮ 2015-07-11 14:46:52
notebook Home 戻る 未来