微温湯の羽
あおば




安い
板チョコ
Bチョコを
買い物帰りに
頬張る

踏みつけて
蹴りつけて
おもいきり
1日を
虐げる

気をつけろ
やつらは
悔し紛れに
跳ね回り
隠し持った
怒り狂った
2B弾を
空に
撃ち込むぞ

むき出しの
世界の果てに
小春日の残骸が
濁った灰色の
くすんだ秋が
褐色の弾丸となり
ケダモノになる
歯をむき出して
狂ったように
激しく笑う
それは
おまえの
たましいの
ヌケガラ
香ばしい
二枚貝の
姿焼き
寂しがり屋の
太った
ナイヤガラ瀑布の
利ざやを稼ぐ
羽の生えた
ぬるま湯

浸かりすぎて
風邪ひいて
嚔する
痩せた
小国民が
欲しがるものは
義理チョコにも
愛想づかしをされた
甘いだけの
Bチョコ

褐色の
弾丸

空を飛ぶ





初出 『poenique』の『即興ゴルコンダ』


自由詩 微温湯の羽 Copyright あおば 2005-02-11 21:28:40
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