晩酌
鵜戸口利明、

色彩を失った街の
無個性な大群のなかに
歩くぼくは
生き損ねた一生物
孤独に気づいた時
時間は止まり
空間を彷徨い
いくべきあてもない
社会の僕(しもべ)である

生き恥晒すために飯を食い
飯を食うために金をかせぐ
金をかせぐために
働きに働き
働くために今夜も酒を呑むのだ


自由詩 晩酌 Copyright 鵜戸口利明、 2015-06-30 03:38:42
notebook Home