p,p,
nemaru

楽しいだろうに  悲しいだろうに

うに  のほうに気をとられ
うつぶせに組み敷かれ
どじょうのような目ーしながら
砂利のここちを確かめる
右の頬ー  左の頬ー  右の頬ー  せわしなく
たまに 口に含んでみては
もごもごもご  ペー  と吐き出す

斃れたわたしの指先に
雀が首をかしげ
かしげが首を雀
刃物が首をかすめ  足繁く通う
場所  わかんなくなってきて
ますます  足繁く通う

もちろん  目抜き通りには
ギロチン  旋盤  振り子状の斧がゆれ
へつられた頭のひとや  かしめられた親子  などで賑わうのだ

保守点検に来た業者も  ちょーん  と切れて
レンチを握る左手を  左手で握りしめ
増し締めし続けることにすら  職人魂を感じる

電源を切ればいいのに  と思いながら
電ではない  と思いながら
試供品を待つ人波の傍らに待機して
つばをのみこむ
一億二千万人の
ごくっ
という音で  線路に躍り出たものの
ルーシーは月額550円から  成仏してもらえるのだ

いくつかの通い路に
斜交いに立てかけた
フー・アー・ユー  故にワンスモア
はなっから  はぐれていたのなら
のんびり泣いていて  よかったのかもしれない
教室のカーテンにくるまって
一端を握りしめ  半回転しながらも
ずっと  ずーっと
泣いていればよかったのかもしれない

見上げたら  どこまでも続くのだ
登下校や部活動  みつけた昼間  仰げばクウ
やけにいたかった  やけに広い予感に
せめて一度きりっくらい  おーいに泣いてみたかった


自由詩 p,p, Copyright nemaru 2015-06-21 07:45:35
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