地下鉄に乗って
……とある蛙

夕方の地下鉄
小学生を連れた母親
吊り革にぶら下がろうとする悪がき
それを止める自称かぁさん

ボリュームのつまみの無い小悪魔どもは
あっちへ行ったりこっちへ行ったり
結局、母親もスマホに夢中で
ときどき子供に注意する振りをする。

何も変わらない子供たちの口癖は

どこでおりるの?
どこまで行くの?

こいつら結局一生言っているのだ
どこまで行けばいいのか。
何をしたらいいのか。
分からない時はただ話続ける。
よその大人に叱られると頭がパンクして
対応不能でフリーズする。

地下鉄に車窓の風景は無いが
人生もそんな変わった風景は無い

風景が変わらないことを
親は気づいていない
だから教えられない。
それが現実

また地下鉄に乗っている。


自由詩 地下鉄に乗って Copyright ……とある蛙 2015-06-17 12:23:47
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