海を詩にするとき
じぇいぞろ

実物の海は心を動かさない

観念上の海は青く凪いでいて
砂浜は足裏が痛い

修辞されて海は形式化の束縛を離れて
泳ぐ 空がそうであるように


記憶の海

漁船でいい蛸釣りしたこと
毎日泳ぎに行った暇な学生時代
水着だけ恥ずかしがる彼女


観念的な海

深い海 碧いシーツ 睡眠薬
無呼吸 母胎 心臓の音
耳を塞ぐ現実逃避
猫の入水自殺 マッコウクジラ

そして
ランボーの
永遠と交わる太陽


自由詩 海を詩にするとき Copyright じぇいぞろ 2015-06-11 21:21:38
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