「世界に満ち溢れるもの」
元親 ミッド


 
 
暗がりの街に、雪がちらついていた。
 
凍りつく大気、その向こうに雲
 
際は銀色に縁どられて
 
放射される天使の梯子
 
電線が揺れて、僕らはマリオネット
 
勝手に凍える指先。
 
それに抗おうとするのは
 
自由であろうとする魂だろうか。
 
手を擦って、思い出したのは
 
いつかキミが両の手で
 
同じように凍えた手を温めてくれた時のこと。
 
カーラジオが、そんな寒空から
 
クリスマスソングを濾しとって
 
世界を華やかに、楽しげにしようと
 
励ましてくれていた。


自由詩 「世界に満ち溢れるもの」 Copyright 元親 ミッド 2015-06-11 01:19:16
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