影踏み鬼
Lucy

踏まれた影は
足裏を剥がれ
午後の陽なたに取り残された

じりじり
地面に焼きついて

暗室に水を滴らせ
白く感光する
幼年の記憶

影を踏んだ子は
逃げていく

どこまでも(いつまでも)
風のように
あの子のあとを
追って行くのは

影のない鬼






自由詩 影踏み鬼 Copyright Lucy 2015-06-08 16:05:25
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