水性サンドイッチ
瑞海

満天の星空を見て
思い出す
澄んだ思い出
済んだ思い出

風が髪に纏わり付いて
香りを運ぶと春
長い睫毛が絹の肌にかかり
スカートを脱ぐと夏
手と手がゆったり合わさり
頬を赤らめると秋
真実の言葉を知り
涙を流すと冬

インクに涙が滲む夜は
青に染まる瞳を思う
指で空をなぞる
君の肌の感触を思う

コンクリートの箱に
昔々隠された君は
彗星を待っている

ずっとずっと
僕がこの世に存在する前から
ずっとずっと

ダストテイルと君の左小指を
天の河が繋いだら
もう君は星に還られる




自由詩 水性サンドイッチ Copyright 瑞海 2015-06-07 18:53:57
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