15さいとまっどはったー
楽歌
子ども扱いしないでよと、と喚いた後で覚えたばかりの拙いマスターベーションを
見せつけたあたしは相変わらず。明日せかいが終わるなら一人で死なずに済むから
きっと幸せだわ、なんて痛々しいにもほどがあるけれど、それはヴァギナに突っ込
んだ指に不思議と湧き上がる罪悪感に似ているし、やっぱり抜くこともできずに
じゅくじゅくといぢり続けて生きていくことしかできない。
狂っているよ、と笑いながらあたしを奪ったあなたは犯罪者になってしまったけれ
ど、あたしはすこしだけしあわせなまま、発泡スチロールみたいな後味を吐き気と
ともに、あたしじゃない生命をはじめて飲み下した夜。
狂っているのはあたしじゃなくて、せかいの方だということを確かめたくて、吐き
続けたため息にはほど遠いけれど、決して少なくはないつもりの帽子の中からお気
に入りの一つを被りながら真夜中にキスをする。
小さく足が震えているのはたぶん、伸ばしすぎたつま先のせいだけではないし、そ
のあとで飲み干したコーヒーだって苦いままだから、あたしはやっぱりまともだわ
、なんてほっとしたのだけれどあたしの中にはまだ違和感が残ったままで、指先で
またいぢりたくなるから、やっぱり、明日せかいは終わればいい。