丘肌の淋巴腺⑤
信天翁

        卒寿となった いま
おらはすなおに 向きあえなくなった
        たとえば 漫才にも
       絶えず輪転をつづける
     中学大学時代での走馬灯が
      クローズアップして─
        そもそも 遍歴とは
   どうしてそんなに 鮮明なのか
     片隅に追いやられたゆめが
    半生に混合されるためなのか
     汚れかかった呼吸となって


自由詩 丘肌の淋巴腺⑤ Copyright 信天翁 2015-06-04 08:19:17
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