墓石塔
梓ゆい

「受け入れる。」という行為は

「己自身が楽になる。」という事だ。

諦めとも違う想いを引き下げて

父の骨壷を墓の中に収める。

(ごりっ・・・・。ごりっ・・・・。)と

重い扉を再び閉じる時

「お父さん、さようなら。また来るよ。」と

しっかりと言えるようになるのだろうか?

(ソレハ、生キテイル者ノオツトメ。)

真っ暗な部屋の中に居るはずの父は

文句のひとつも

言わなくなった。


自由詩 墓石塔 Copyright 梓ゆい 2015-05-29 00:13:39
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