奇跡の耳
ガト

雨で
ヒゲが湿って
しょぼくれてる猫

軒下から
灰色の空を呪い
ふやけた肉球を
丹念になめまわす

寒いだろう、とか
冷たいだろうと思うのは
いつだって人間の勝手で

猫はその時
はるかな草原に鳴る
草の音を聞いていた


自由詩 奇跡の耳 Copyright ガト 2015-05-21 04:18:48
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