幸せは物足りない
宣井龍人

君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると

友達も言っていた

君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が

君はいつも何かを探していた

いくら聞いても答えてくれない
たぶん君にもわからなかった

真冬のある日

君は言い出した
私には何も似合わない
私は何も欲しくない

君は夏でもないのに服を脱いだ
真っ赤な肌着は破れている

君は笑顔で走り出す

命を得た時
いつだか来た道
無と描いて永久と読む道

もういいだろうか

君を飾り付けた魔物を集めたよ
今日も静かに靡いている

探し物は何だろう




自由詩 幸せは物足りない Copyright 宣井龍人 2015-05-06 17:42:39
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