白い月
Lucy

都心を射ぬく沈黙のバスを執拗に尾行する
半分にすり減った横顔のまま

ビルの狭間にこうこうと深く冴え渡る闇の遠くで
連動する疲弊の連鎖に眉を震わせ

容赦なく目に斬り付ける
横殴りの光の氾濫の渦中

唯一つ
反射しない鏡として
祈りも
呪咀も黙殺も跳ね返さない
半分の顔





自由詩 白い月 Copyright Lucy 2015-05-01 21:18:22
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