あの頃はフリードリヒがいた
TAT


































9〜18時のA勤のハンスは




来週は裏返しの21〜6時で働いてるはずだ



















今もあの町の大きな工場で








今はアウトランダーを作ってるはずだ













錆びたゲームセンターの筐体や


別れの春の桜の匂い





いっつも一緒にいたよな










尻を冷やすアスファルトの唄声

ギター


ハーモニカ










なぁ?



あの頃の俺とお前は中々シュッとしたキリギリスのバイオリン弾きだったよな?















がまくんとかえるくんみたいに俺とお前で背中を合わせて












生きてる者はすべて憎んでた



動くものすべてが嫌いだった



















どこまで行ったら朝陽が昇る?


何人倒せば幸せになれる?って







いっつも不機嫌な顔をしていた



奈良美智の絵のガキみたいに






























































ハンス、憤怒だった


俺の罪は『憤怒』だったよ

























俺の今年は氷のダンジョンで



青い透き通る竜を倒したよ



王様から宝箱も貰った



















冬が来ればコートを着て京都に帰るから



又呑もう






エカテリーナにもよろしく









自由詩 あの頃はフリードリヒがいた Copyright TAT 2015-04-20 20:53:00
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