うんこの詩
宮木理人

気分の浮き沈みは程度の差はあれ誰にでもあることで、それに対していちいち自分で反省したり凹んだりしてはいけない。
「なんでこんなにすぐ落ち込むんだろう」とか
「自分はなんて弱いんだ…」とか
そんな感情を抱いて、潰れてしまう必要は本当はまったくない。

それはうんこをして凹んでいるようなものだ。
「こんな汚いものを出してしまった…」
「こんなもの、人に見せられない…」
それと一緒だ。

うんこは誰でもするだろう。
そしてわざわざ人に見せなくてもよい。
だけど自分で処理しなくちゃいけないね。

子供の頃は自分でどうにもできなくて、お父さんやお母さんにうんこの処理を手伝ってもらっていた。
今ではもう一人前に、うんことともに立派に生きているのだから、お前のその抱えきれない感情はきっと、処理の仕方を誰も教えてくれない、お前だけのかけがえのないうんこだ。
あきらめることさえしなければ、いつかきっと、仲良く共存できるようになる。

急ぐな。
だいじょうぶだ。
うんこのような感情を排泄しているお前は、病気どころかむしろ健康そのものだ。

自分のうんこをまずは見つめろ。

ゆっくりと
便座に顔を近づけて
芳醇な香りをかいでやれ。




自由詩 うんこの詩 Copyright 宮木理人 2015-04-17 11:41:16
notebook Home 戻る  過去 未来