現代詩クレームセンター
左屋百色

もしもし?
あのさぁ、さっきね、
そちらさんの現代詩を読んだのよ、
そしたらさぁ
まったく意味わかんねぇのよ、
特にさぁ、
途中にやたら出てくる比喩?
あれ比喩だよね?
青すぎる頭の上で
虹が雲を斬るとか斬らねぇとか
あの部分さ、何なの?
いつの間に雨止んだのよ、
つーか、こっちからしたらさぁ、
そもそも雨降ってたのかよ!
てな話じゃん。
おかしいよね?
一連でさ、晴れた空に小さな鳥が、
低空飛行して、、、だっけ?
なんたらかんたら書いてあるよね?
あれ何?作者が小さな鳥って事?
そういう事なの?
だとしたらさ
いつから飛んでたのよ、
急すぎるよね?
読み手が理解しろって事か?
てかさ、
普通に書けよ!

私は小さな鳥です、
雨が止んだので飛んでいます、
虹がでました、
きれいです、

それでいいじゃねぇかよ!
何こねくり回してんだよ、コラ!
え?
もしもし?聞いてる?
あんたじゃ話になんねーよ、
責任者に変わってもらえる?
てかさ、
作者に変われよ、
その方が話はえーよ!
そもそもさ、そもそもだよ、
作者はさ
何を伝えたいわけ?
それっぽく書いてるだけだよね、
だよね?
だってさ、どー考えても
意味わかんねぇもん、
え?
感じてください?何を?
いや、だからさぁ、
おい!よく聞けよ、
こっちはなぁ、
とりあえず意味がわからねぇとな、
先に進めねぇって言ってんだよ、
え?
いろんな作品をもっと読め?
おい、今そう言ったな?
つまりだ、
読み手に問題があると、
そういう意味だな?
こっちが悪いって意味だな?
冗談じゃねーぞ!
よし、わかった
そっちがそういう気なら
もう二度と読まねーからな!
こうなったらな、
俺もな、
明日から現代詩を書いてやる
でもな、
よく聞けよ、
俺が書くのは
ちゃんと伝わる現代詩だからな、
わけのわかんねぇ
そういうは書かねぇからなっ、
よく読めよ、このやろー!



数日後、
この男は
自ら現代詩を書くようになったが
読んでくれた人に
伝わる伝わらない以前に
自分でも何を書いているのか
時々わからなくなっているという。


自由詩 現代詩クレームセンター Copyright 左屋百色 2015-04-15 13:32:31
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