八の朝
nemaru

横断歩道
鳩は
せんべい状

始祖鳥になって
羽毛だけ立体化
車の風に揺れている

つまむ男の子
スゴイと言われたい年ごろ

スゴイにも何種類かあって
君のスゴイは
毀損するベクトルを向いていて
気がかりだから
これくらい
「屁でもないね」って
ふたりで
思うことにする

みんな
そんなの
したくない

したくないことをするだけ

(楽ちん?)

(だね。)

愛されたい子は
物理すぎて
たまにちょっと目頭が熱い

こっちじゃなくて
あっちに送り出したいが
信号が点滅してる

つまんで投げて
逃げてくみんなを
笑いながら
追いかけるしかなかった
八の朝


自由詩 八の朝 Copyright nemaru 2015-04-14 08:24:24
notebook Home