野良犬コンビナート
TAT




働きたくないのに働いて
タバコをぷかぷか吹かして
酒が弱いのが嫌で『練習』していて
(本当にアホだ。そんなもん練習してどうなる?)



命懸けの喧嘩が出来るでも無い
万人を驚かす何かの特技がある訳でも無い
自尊心だけ高く
臆病で
怠惰で
食費だけ人より無駄に要る
駄犬でした



身の回りにある物の中でいちばん美しい物は『水たまり』で

他のバカと違って俺だけはそれがどんなに滑らかにキラキラと光りながら姿を映すか
誰よりもよく知っていた


その頃いっしょにいた女は賢い女で
馬も反りも合った
俺はアホだったからいつも千円札の枚数数えるのとかに必死で
オメコの時も自分がどんだけ気持ちよく射精するか
向こうがどんだけ喚きながら死ぬか
それを求めるのに必死だった
救いようが無い事に
『向こう』が別の誰かでも別に良かった

今もしあの頃の俺が道の向こうから(口開けて)歩いてきたら
軽自動車で轢いて
ただの七十二kgの砂袋になるまで殴ってやろうとそう思うけど


まぁ実際そうなっても疲れるだけだろうからやらないだろうな










今の俺の年齢なら既に子供がいておかしくないんだと思う
でもいない

年に50万円以上のボーナスを二回ぐらい貰える総合商社の中間管理職社員とかさ

巨人の六番とか

そういうものに成れていたのかもしれない



例えば俺の横に俺だけに見える大きい悪魔が一頭いつも居て

『よしここでダランとしながら目を瞑ってバットふれ』とか

『この楽天って会社の株買え』とか

そういう事言ってくれてたら億万長者になれてたかもしれない

言い換えれば今現在も

問題は知ってるか否かだけで

任意の場所に行って
任意の方法でバット振れば




良いだけの話なんだろう







けれども過ぎ去った時間や思いは帰っては来ないだろう

例えばここに10万円のステーキと30万円のステーキがあったとして

きちんとそれは三倍美味いだろうか?

たまたま鼻風邪でも引いていたらもうアウトじゃないか?








極端な話
次の給料振込み日まで生きてる保証は無い







だからって今日全部使って家族とかに迷惑かけて生きろって趣旨でも無論無い








なんだじゃあ両岸の桜の花がぼろぼろ落ちて

端から端までピンク色の川が

しずしずと足元を流れてゆく




『なんだこの景色は?これは凄いな、、』って


ちょっとブルーシートと金麦と麦とホップ持って
我が家の前で休日ピクニックする


この今が歴史上で一番尊く貴い



って事でいーんじゃないか






俺の脳味噌の容量の内でしか
俺は生きて死なないのだから
水槽の中の脳が妄想しているそれが
世界のからくりの全てなら





月は真っ暗闇の陰唇で
太陽は大嘘つきの
真っ逆さまじゃないか




とか思いながら
















そんなことばっかり考えてるからきっとだめなんだと思う












野良犬コンビナート


野良犬コンビナート















自由詩 野良犬コンビナート Copyright TAT 2015-04-10 21:54:33
notebook Home 戻る  過去 未来