おいとま
やまうちあつし

そろそろ
おいとまをしようか
たくさんご馳走になったし
ずいぶんと愉快に笑った
これ以上長居をすると
ますます帰りづらくなる
それに遠慮がなくなって
無礼なこともしてしまいそう
今なら綺麗な思い出のまま
あの世まで持っていけそう
少し足りないくらいが
案外ちょうどいいものさ
おもてに車と
三日月を待たせてある
帽子をひょい、と持ち上げて
そろそろ
おいとまをするとしようか


自由詩 おいとま Copyright やまうちあつし 2015-04-07 12:58:31
notebook Home