四月の赤い夜
アラガイs


背枕を省みては どんよりと重く
降りそうで降れない燃える蝋の雲
瀕死の猫が
)はあはあと
くふくふと 、来
血(らいち)に染まれば息は幽すかな断脈
もたれることもなく
梅は棄てられていた
被膜が蒼い屋根を押しつぶす
泣き濡れて三年が過ぎた夜に

そっと窓を開ければ真綿に染み付いた垢
気兼ねするように便器に立ち続けては
脳天から楔を打ち込まれたい
流し続けたそれは、萎れたままの腕
煤枯れて萎む肺
裏腹が取り出した内臓から種痘の
、掻き毟る指先は怒号と依存に癒された片栗の実
石榴が割れて飛び出したのよ、嘘が
、幻と、消え失せた昔日の
雨は裏切りの滴








自由詩 四月の赤い夜 Copyright アラガイs 2015-04-04 05:23:17
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