ニコラス・ケイジはコッポラファミリー
花形新次

下山田さんが
幻の巨大魚ニコラスを
釣りに出かけてから
3年になる

玉川学園前から
渓流を上り
とうとうモンゴルに
着いたにも関わらず
未だニコラスには会えない

その原因は
ニコラスが
幻の巨大魚だからだが
その一方で
下山田さんが
竿を忘れたことも
少し影響している

町田市内ですれ違う
村人にニコラスについて
訊ねても
皆一様に口が重い
それは村人にとって
ニコラスが神の使いと
信じられているからだ

ニコラスを釣るなど
もってのほかだった

村の郵便局員の長老は
お前は鮭児のことをカタカナの
ケイジからニコラスと結び付けて
勘違いしているのではないか?
しかも鮭児は海で捕れるのだ
と言った

だからどうしたというのだ、長老!
不可能を可能にする
それが男のロマンじゃないか!
開高だってイトウを釣るだけで
2時間特番やってただろう!

下山田さんの挑戦は続く


自由詩 ニコラス・ケイジはコッポラファミリー Copyright 花形新次 2015-03-30 21:48:44
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