トップページを何気なしに見ていたら、「ランダム」というボタンを発見。
いつの間に出来たのか、全然知りませんでした。
ためしにぽちっとボタンを押してみると、全然読んだことのない作品が出るわ出るわ。
ひとは選択するときに、知らず知らずにその嗜好が固定化されて
決まった枠に留まってしまうものです。
最近は、それがいいことだとする風潮が強い世の中ですが
(自分の興味あることには異常に萌え、それ以外のことには異常に無関心だったり)
でも、それってどんどん自身を決まった世界の中に追いやってしまうとことだし、
ひとつのことを知るということは、本来その他のこととの繋がりを知っていくことのはずです。
さて、
最近詩もほとんど読んでないことだし、
読んだとしても決まったひとの昔の作品ばかりなので
この何が出るかわからないランダムシステムを使って
気が向いた時に、ランダムシステムで出会った詩を
千人斬り(未詩・独白は除く)する旅にでも出てみようかと思ったわけです。
旅は生もの、読みは直観、コメントは短く、実は太く、足どり軽く。
新しい世界をみせてくれる詩との出会いは、訪れるのか?
□其の壱
『川沿いの道』 快晴 ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=24599&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25C0%25EE%25B1%25E8%25A4%25A4%25A4%25CE%25C6%25BB
記念すべき一作品目は、快晴さんの『川沿いの道』。快晴さんの作品は初めて読むぞ。ふむふむ。土手、夕暮れ、さようなら。叙情的風景のお決まりの言葉たち。誰しもがわかる感覚を、お決まりの言葉で書くこの感覚では、みんなが安心しすぎてしまうぞ。
□其の弐
『あと、花火の』 nm6 ★★☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=17202&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A4%25A2%25A4%25C8%25A1%25A2%25B2%25D6%25B2%25D0%25A4%25CE
お、出ました、nm6さん。このひとの作品はいくつか読んだことがあるなあ。いいって思う反面、どこかしら身を委ねきれない感じがあってなんだか複雑なんだよなあ。さてさて、どんな作品なんだろう。なんだかいつもよりテンポが悪いぞ。軽妙さがとても大事なような気がするんだけど、カタカナの部分のスピードが活きていない。だから言葉の言い回しの妙が、おもしろさよりくどさに陥ってしまっている感。正面切ったスピードで見てみたい。
□其の参
『箱』 ねこざめ ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=895&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25C8%25A2
ねこざめさんってなんか面白い名前だなあ。こばんざめや人喰いざめをあえて選ばず、ねこざめにした理由を聴いてみたい。さて作品。ん、ホラーか?これは叙事詩なのか?そんなわけないよな。だったらもっとリアルが走る。どうしたんだ、想像力。どうしてこの落ちも何もない話を詩にしてしまったんだ!とりあえずがんばれ!!(三蔵法師のいない西遊記)
□其の四
『SPIRAL』 Hayuki ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=28383&from=listbytitle.php%3Fenctt%3DSPIRAL
うーむ、これは俺のコメントを試しているとしか思えない詩だ。千人斬り、修行になります。
というわけで返歌してみるか。
チョコレート齧るほどに
産毛が増えるのは
私の業ですか
嗚呼、無情。こういう才能って、知ってたけどぜんぜんだめだわ。
そんな俺もスパイラル。
□其の五
『影・点描』 浅野多雨 ★★★☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=24782
浅野多雨さんの作品。初めて読む人の作品が続きます。『影・点描』かあ。どういう質の孤独なんだろうなあ。けっこう書いてる人だなあと思っていろいろ見てみると、どの詩も人気があるみたい。率直に思うことは(いつも率直だけど)言葉が自分の側に傾きすぎているということ。そのことを語る言葉や態度は誠実なものだと思うし、そういった世界を好きな人には強い力を持つと思うけど、俺はそんなおおげさなものじゃないと思うんだ。濃度はあるので、あとは世界を自分の経験の中でどう捉えているのかの強度なのだと思う。
□其の六
『精度と狂気――徐悠史郎「うねび/くちかげ」を傍らに』 第四無名者 ★★★☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=22940&from=listdoc.php%3Fstart%3D0%26hid%3D1201
しまった!早々に地雷を踏んでしまった。第四無名者さんの批評だ。逃げろ!でもコメントしなきゃいけませぬ。千人斬り、六人目で終わったら笑いにもなりません。さて、徐さんの作品のどこがいいのか正直よくわかりませんでした。第四さんの批評を読んでもとっかかりすらつかめないです。たとえば戦闘機マニアのひとが戦闘機の美しさについて、別段戦闘機に思い入れのない人に力説しているような感覚というか。「あそこの尾翼が、どうでこうでこうなのでたまらない」みたいな。ただ、文章の構成力が美しいです。いつも思うことだけど、この人の書く文章は、内実よりも構成美だなあと。細部へ注ぎすぎる力の入れ具合が、どうひらいていくのか今後に期待。
□其の七
『★103 イマ、キミハ…』 貴水 水海 ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=17174&from=listdoc.php%3Fstart%3D30%26hid%3D572
貴水水海さん、名前はよく見かけていましたが、読むのは初めてです。題名を見た時点でちょっとゲンナリした自分を奮い立たせてと。OH!すごくよくわかりすぎるくらいわかって何とも思わなくなってしまうけど、やはりひとの恋路をこうも紋切り型で読むのはつらいところです。これを読んで共感するひとは、いったいどこへ行きたいのだろう??きみとぼくの間だけでとどめておくだけでは物足りなかったのだろうか?
□其の八
『結婚』 さち ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8348&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25B7%25EB%25BA%25A7
さちさん。こちらもはじめての人です。しかし、こうもいったい誰に向かって書いているのかよくわからない作品が続くと、社会学的にその意義をきちんと分析する必要がありそうです。千人斬りを終えたら、言葉の方向性について書けるようになるかも。はい、こちらもわたしとあなたのエロス的関係の言葉が、そのエロス的空間と第三者的空間があやふやになってしまい、こうして漂っている言葉のひとつです。今後もこういう作品は続くんだろうなあ。
□其の九
ネコわらい tsu-yo ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=27674&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25CD%25A5%25B3%25A4%25EF%25A4%25E9%25A4%25A4
未知の人の作品が続きます。「ネコわらい」何だかマンガにありそうな題名ですなあ。ふむふむ。なんか笑ってしまった。言葉のセンスは退屈なんだけど、構図力に4コママンガ的な面白さがあると思う。下手絵でシュールな感じに仕上げたら、「どこにも行き着かないんだけど脱力系」みたいになるんじゃないか。決して作品としてはいい、とは言えないけど、想像力をうながされて言葉を俺が書けたということは、ひとつの作品の力だと思うのです。
□其の壱拾
『あいびき』 みもる ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=28695&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A4%25A2%25A4%25A4%25A4%25D3%25A4%25AD
ちょっと食傷気味を通り越してしんどくなってきたぞ。ここが箱根の山越えか。頑張らねば。コメントが思いつかないというのは、ここまでくると作品が外側に想像力をかきたてていないのだと思う。だって俺っち、これでも結構色んなこと書けるほうだと思うのだけど。今後多くの作品と出会うだろうが、一番コメントに困った作品というものも、逆に自分を知る鏡なのかもしれない。と独白を連ねたところでお茶を濁すとする(ずるい?)だからこの作品を書いてどうしたっていうんだ。がんばれ!(花嫁は泥棒さん)
□其の十壱
『あなたが好きです』 もこもこわたあめ ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=25578&from=listdoc.php%3Fstart%3D0%26hid%3D856
まだ峠は遠いようです。もう似たような感性の詩が続くので、どれが誰の作品だかわからなくなってきたぞ。もう君だけに伝えちゃってください。俺に伝えてどうしようっていうのですか。がんばれ!(牛乳ビンの底でスキ(ンシ)ップしよう)
□其の十弐
『空腹』 チアーヌ ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=9645&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25B6%25F5%25CA%25A2
チアーヌさんの作品。名前はよくお見かけしますが、作品をきちんと読むのは初めてです。さてさて、何だか舌足らずな感じですが、1・2連と3・4連の対比がはえていますね。やっと少し読める作品に出会いました。こういう詩はセンスが問われると思います。たぶんまじめな人なんだろうなあと思うのですが、ちょっと几帳面な感じがでてて(きちんと書こうとする)、だったらもっと別の書き方があるんじゃないかなと思ってしまったのでした。アイスクリームというのも悪くはないけど、パンチは軽量級かな。