私に満足感がない
星野つばき

私にゃ小さな夢も無い
おとう(父)は、昭和の春の夜
サナトリウムから旅立った
おかあ(母)は、平成の認知症
旅立つことさえ忘れてる
田舎の家は朽ちはてて
今じゃ住む人誰も無く
私にゃたいした過去も無い

私にゃ少しの金も無い
ちょっと小粋なスタイルで
君と一緒に歩いてみたい
幾らセッセと働いたとて
食費と家賃を払ったら
残っているのは小銭だけ
やっと買えたオシャレ着も
ズングリムックリのこの体
私に似合う服も無い

私にゃ満足感が無い
絶え間なく出る泡のように
溢れ出て来る欲望は
枯れることなく湧き続け
束の間の満足さえも
感じない

世の中にゃ未来がない
将軍様の時代には3000万の人口は
今では既に1.2億
私の生命は世界では67億分の1
どうせ死のうが生きようが
なんら小さな意味も無い

二酸化炭素が増え続け
国のまほろば、大和から
優雅な四季がなくなった
蛇の目の似合う梅雨時は
何時しか豪雨と竜巻に
それでも可愛い小渕さん
子供はまだかと呑気顔。

若者たちには仕事なく
自立ができる金も無い
働かないでも年をとれば
最低限度の保護所帯
それでもなぜだか政治家は
お金やるから産めと言う
そんな日本にゃ明日がない。


自由詩 私に満足感がない Copyright 星野つばき 2015-03-18 09:20:28
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