難解な朝
葉leaf




朝は難解である
アスファルトの奇異な色彩
人気のない誇張された静寂
待合室は不自然に明るく人を拒む
僕は始発電車に乗ろうと
駅のホームに立っているが
朝は難解である
時間は動くのをやめたかのよう
全てが終わった後の厳粛さに包まれ
光は目のあらぬところを貫く
これから仕事であり
僕はスケジュールを立てるが
朝は難解である
どこか狭間にはまり込んでしまった世界
新しいがゆえに言語化されていない風景
全てが虚構のようにみずみずしい
僕は朝を反射する
僕は単純な原理である
朝はこだまを返してくる
ずっと難解なままでいさせてくれと
それにあなたもひどく難解だと
そうこだまを返してくる
互いに難解であり続けることで
僕と朝との対話は尽きることがない
朝は本当はひどく単純だ
僕が単純であるのとまったく同じ理由で


自由詩 難解な朝 Copyright 葉leaf 2015-03-11 03:57:35
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