飛龍館
藤鈴呼



幾ら 鯉が 飛び跳ねようとも
龍には 見えないと
君は 笑う

あっけらかんとした 無表情な音声が
周囲に響いて
飛沫と 化す

お前はカスだ なんて
言われている ようだ

錯覚の 角度を
折角の 体験を
無碍に したまま

静かに 踊り出す
まるで 人魚だ

注意点を
すっかり 忘れた ままで

問題点など
はじめから 無かった ように

君は また 笑う
股のぞき台から 見定めた龍は
何処まで 飛びあがるのだろう

斜めに伸びた 松も
この 感情ごと
ぶったぎられることだけは
望んでいや しないのに

逆さまの景色を
楽しんで 御覧なさい

ほら
頭に 血が登って
丁度 良いでしょう?

ただの 景色が
まるで 竜に 見えて来る

天に 昇るのサ
点々でしか 表現出来ぬ 問題は
とりあえず 忘れちまって

お前も うふふと 笑うのさ
そうしたら ああ そうしたら
今度は 龍も 恋を するのかな

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自由詩 飛龍館 Copyright 藤鈴呼 2015-03-09 11:26:39
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