春のさくらんぼ
藤鈴呼



何処までも くっついている
あなたと わたし

撓(たわ)んだ 蔦でもって
繋がり続けるから
離れることが 出来ない

放されることが なくって
倖せよね って
いつまでも 想って生られる事が
一番の しあわせ

ねえ って 横顔を 見つめてみる
なあに って 返事が 聞こえる

だけど あなたの 左側だけは
どうしたって 見つめられないの

わたしたちは 一心同体
さくらの子だから
ちぇりいって 呼ばれてる

どうしたって あなたの 向こう側を
見つけられないから
想像力が 働いちゃったんだわ

とても痛い 三角定規なんかよりも
切っ先鋭い 葉よりも まるい
あたたかな わたしたち
このまま まあるく 
甘い蜜を背負って
生きて いこうね

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自由詩 春のさくらんぼ Copyright 藤鈴呼 2015-03-05 12:44:11
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