タイムスリップ
uminoumi

風を切って歩く彼女は海沿いの歩道で
潮風に吹かれて軽く咳き込んだ
夕暮れと工場の煙 涙目になって
あの日とあの日の出来事を思い出してる

国道走る彼はつめたい空気に慣れ始め
耳を切るような寒さを噛み締めてる
いつかの後ろの席にいたワンピース
「またね」と言ったまま二度と戻らない

そろそろ夜風 
街明かり無駄に華やいで
熱にうなされるみたいな
あのときの輝き
タイムスリップした秋のゆうべ


自由詩 タイムスリップ Copyright uminoumi 2015-03-03 03:54:15
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