笑顔の糸
藤鈴呼



私の紡ぐ糸は 笑顔の意図ですか
細く 永く 棚引きますか

補足しないと いけないくらいの笑顔ならば 
要らないと

手の甲と 掌を 等間隔で 
チラチラさせては イケマセン

そのポーズから 出て来る音は シッシッ
そんな音の 笑顔だって 有りますけれども
楽しくは 有りますまい

それならば シィーッ と 
人差し指を 突き立てて
あなたに あなたに あなたにあげる

そんな意図など 要らないと
あなたに あなたに あなたに言えぬ

その一言が 心の奥に 降り積もり続ける限り
ワタクシの ココロは 癒えぬ


夕方の雲が 文字通りに 細く 永く 棚引く頃
踏切で 立ち止まる

行く手を 阻まれたから 
仕方が無く 留まるのだ

ここが 線路ではなく 
箱型のロボットでも 横行する 
未来基地だったならば

どんなにか 良いだろうと 妄想しても
点滅ランプは 消え去らず イライラも 募る

ワイパーに 絡まった 蜘蛛の糸が
幼心の誘惑を攫った 綿あめと 同化してる
どうかしてる

そんな瞬間の恐怖を 抱きしめながらも
もう一度だけ 笑う
あと 一度だけは 笑うのだ

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自由詩 笑顔の糸 Copyright 藤鈴呼 2015-02-28 11:45:27
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