天まで今このくらい
日々野いずる
微量にパーツを変えていく日常は
常識にぬめらせた目じゃ感知できない
日々古くなっていくはずの顔は
本当に古くなっているのだろうか
たまに悪戯っぽく新しい面を見せる
そして急に老け込んだりする
どこかであなたはワインを飲んで
私はここでワインなんて嫌いと言っている
どこかであなたはフォアグラをつまんで
私はここでフォアグラなんて美味しくないって言ってる
そんなつまらないことをしてないで
私を見失わないで
私を失わないで
駆け足で来て今このくらいの生活を保って
私の先はあとどれくらいあるのだろう
一人で決め続ける生活は
あとどれくらい
いまこのくらい
自由詩
天まで今このくらい
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日々野いずる
2015-02-27 09:24:20