ひとつのうた
灰泥軽茶

その道にさしかかると
いつも私は空っぽになり
ぼわんと身体が共鳴して
ふんふんふうんと
ハミングが漏れていく

震える身体はとても気持ちよくて
ふわあわとか
よいやいもやおやだとか
言葉が喉をくすぐらせ
ぽつりぽつりと
ひとつの言葉が生まれる

くりかえしくりかえし
唱えるように
口ずさんでいると
言葉はだんだんおぼろげに
うたとなり
ひとつのうたが生まれ
私は救われた気持ちがする







自由詩 ひとつのうた Copyright 灰泥軽茶 2015-02-26 00:32:18
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