カタクリの抵抗
藤鈴呼



長く 永く
とろみをつけて

伸ばした粘土を
年月かけて

こねくり廻す
引き延ばす

唯一の 結論

決断も出て いないのに
良くも こんなに 伸びたものだと
茶化す時
汁が 茶色に 染まったとさ

のど越し豊かな御饂飩を
すっぽり食道に 流し込むのだ
今がチャンス

かたくりの花が 咲き乱れる丘は
鯉が 飛び跳ねるのだと 忘れてた

エサを手に ぼうっとした笑顔で
突っ立って居ると
尻尾で頬を はたかれるのです

恐らく
片栗粉も 使用しているのでしょうか
伸びるけれども 熱い汁が
喉の奥で 自己主張

おーい 熱いよ
叫ぶ余裕も 無いままに

飲み下した台詞は
あっつい

誰しもが 分かる 一言でした

そんな風に 
分かりやすく生きられたら
倖せなのにね

感情や 感覚までをも
こねくり回すから
自分でも 分からなくなってしまって

新しい粘土を探し
坂の下で
転がる姿を 見定めながら

新たな形を 妄想することに
なるのですよ

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自由詩 カタクリの抵抗 Copyright 藤鈴呼 2015-02-25 11:53:43
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