薄暮の塔
とよよん

太陽の塔を 見に行きたかったの
今を表す丸い顔の
真ん中の大きな鼻を 見上げたの

真横から カーブした刃物が突き刺さって
貫通して 痛そうなしかめつらで
そして体のなかにも 無数の生命の傷を隠し持っていて
背中で笑っているのは 過去の 黒い太陽で
薄暮に点灯する未来の瞳は 薄幸にゆらいで
野ざらしで
光を失ったのは いにしえの太陽で

解体されたら きっと
ピジョンブラッドのハート・ブリリアントカットが出てくると
信じているの


自由詩 薄暮の塔 Copyright とよよん 2015-02-24 14:26:29
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