Petrichor
opus

そのままであれば良いのに
風が吹いて
飛ばされてしまう

でも、
そこまでが到達点で
終わったことに
泣いてしまったりする

あとには
鼻腔にこびりつく匂いと
水溜りが残る

長靴を履いた子供が
水溜りに飛び込み
飛沫が霧散する
鏡面は崩され
世界が破壊される

パシャンッ

空は青く
空気は澄み
遠くに虹が見える

まだ道の途中
子供がケラケラ笑っている
手を引かれて歩みを進める


自由詩 Petrichor Copyright opus 2015-02-21 11:27:36
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