命なんだね
千波 一也


冬に生まれても
春に生まれても
愛される子に違いない

星座が好きでも
闇夜が怖くても
夢を見る子に違いない

走るのが得意でも
描くのが得意でも
頑張れる子に違いない

みんな、必ず子どもだった
必要とされる子どもだった
大事に大事に、命にされて
どの手もどの眼もどの声も
みんな、必ず子どもだった

山に生まれても
海に生まれても
報われる子に違いない

ロボットが友達でも
クマさんが友達でも
心やさしい子に違いない

だれがママでも
だれがパパでも
望まれた子に違いない

みんな、残らず伝えなきゃ
かなしい顔はもうたくさん
くるしい顔はもうたくさん
だれにも易しいことだもの
みんな、残らず伝えなきゃ

負けん気が強くても
生意気な物言いでも
支えてやるべき子に違いない

口数が少なくても
笑顔がわずかでも
照らしてやるべき子に違いない

通りすがりでも
あかの他人でも
縁のある子に違いない

みんな、必ず結ばれるから
場所も時間も違っていても
遥かなゆかりのふところに
みんな、必ず結ばれるから
みんな、違わず命なんだね

みんな、違わず命なんだね







自由詩 命なんだね Copyright 千波 一也 2015-02-16 22:17:33
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